7ntitiのブログ

沖縄の風土記を、ひもといて行きます。

「沖 縄 物 語」

 初夏の到来を、若夏<うりずん>と言います。


  ※春に匂いたる 花ぬ色美らさ 若夏になりば 勝てぃ見事。(琉歌)



「潤い初め(うるおいぞめ)」が語源とされる「うりずん」は、初夏を表す言葉で、
冬が終わり大地に潤いが増してくる時期を指して、若葉がいっせいに咲き、草花はその彩りを増して、大地を潤していくのです、亜熱帯気候の沖縄ですが、この時期が最も美しく過ごしやすい時期かもしれません。。


 そんな「うりずん」の季節の旧暦の三月清明節(新暦の4月5日ころ)には、沖縄本島中南部を中心に祖先供養のまつりが盛大に行われます。シーミー(清明祭)といわれる行事です(那覇市首里近辺ではウシーミー(御清明)とも呼ばれています)。


シーミー(清明祭)は門中(もんちゅう、沖縄県における、始祖を同じくする父系の血縁集団のこと。門中は、17世紀後半以降、士族の家譜編纂を機に沖縄本島中南部を中心に発達し、のちには本島北部や離島にも拡がった)墓に一族が集まり、各世帯が持ち寄った重詰料理や酒、花をお墓にお供えし、その後、皆でお供えしたご馳走をいただきます。先祖を敬い大切にする私だちにとってはとても重要な行事で、それほど堅苦しいものではなく、シーミー(清明祭)はピクニックのような感覚で行われ、親族の親睦の場となっています。